メジャーリーグを見て考えたこと

 

 

はじめまして。初めてブログを書きます。私は大の野球ファンで野球なら何でも好きという雑食なのですが、とりわけ昨年度のメジャーリーグは興味深いものがありました。ですのでそれを以下に書きたいと思います。

 
2017年メジャーリーグ(以下MLB)のシーズン本塁打数は6105本で、歴代最多だった。これまでの歴代最多シーズンは、2000年の5693本だが、この時期のMLBは後に騒動になるドーピング問題の中であることは留意しておかなければならない。事実、歴代シーズン本塁打数10傑のうち8つが、ドーピングが普及しだした90年代後半から発覚する2005年前後という構成になっている。ドーピング発覚後のMLBの環境は投手有利であり、ドーピング時代の本塁打数には到達できないと考えられていた。しかし、2016年シーズン本塁打数は5610本(歴代3位)、その翌年は歴代1位を記録するのである。なぜこのような現象に至ったのだろうか?[1]

 
最初に疑うべきであるのは、過去のようにドーピングをしていることである。ドーピングをしているのであればパワーとテクニックが底上げされるのだから、全体として打者有利の環境になるはずだ。MLBの防御率は3.74(2014)、3.95(2015)、4.18(2016)、3.93(2017) [2]という推移になっていて、ドーピング時代は4.5以上であったことを踏まえると特別に打者有利になったとは考えられない。だが、ダルビッシュ有、C.Kershaw、C.Sale、S.Strasburgと言った投手たちが2016-2017にかけて防御率は安定しているのにも関わらずキャリアワーストの被本塁打を更新している。本塁打が飛躍的に増えた背景には何があるのだろうか?

 
これを可能にしたのがバレルゾーンの発見とフライボール革命である。MLBはビッグデータにより、好打者の打った打球速度と打球角度を解析した。158キロの打球速度で30度前後の角度でアプローチをすることによって約80%の確率でヒットになるというものだ。また26度の角度のフライボールがより長い飛距離を持つということも判明した。このバレルゾーンの発見とフライボール革命により2016-2017にかけてMLBで飛躍的に本塁打数が増えたのである。[3]

 
私がこのようなデータ野球に興味を持ち始めたのは、「マネーボール」という映画からでした。弱小球団のGMであるビリービーン氏のノンフィクション映画です。劇中に登場した指標群はチーム編成に欠かせないものとなりました。MLBにて旋風を起こしたフライボール革命ですが、早くもそれに対する対策が行われるようになりました。フライボール革命の3年目になる2018年シーズンは、打者有利が続くのか投手有利に戻るのか。2018年シーズンが楽しみである。

 


[1] FANGRAPHS (http://www.fangraphs.com)  2018/1/10閲覧
[2] BASEBALL REFERENCE (http://www.fangraphs.com)  2018/1/10閲覧
[3] MLB.com (http://www.mlb.jp/)  2018/1/10閲覧

 

 

 

 

 

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